第5回アジアパシフィックPBS国際大会 in 韓国・ソウルに参加しました。
2025年10月22日(水)から2025年10月25日(土)まで開催された、「第5回アジアパシフィックPBS国際大会 in 韓国・ソウル」において、当社の療育アドバイザーである近畿大学准教授、大対香奈子氏と共に、執行役員 品質管理部 部長である谷部 有彦、品質管理部 辻本 友紀子が、当社におけるPBSに関する取り組みについて、ポスター発表を行いました。
この国際大会は、アジア太平洋地域内外の様々な言語、文化、地域において、PBSの実践がどのように普及しているかを学び、 考察し、議論する貴重な機会です。
●発表内容
当社において、福祉現場にPBSを導入して、職員のメンタルヘルスや職場環境にどのような効果が見込まれるかについて、ポスターにまとめ、PBSアジアパシフィック大会の場で発表しました。 当日の発表内容の一部をご紹介します。
学校全体にわたるポジティブ行動支援(PBS)は、学校環境の改善、児童・生徒の問題行動の減少、教師の精神的・身体的疲弊の予防に効果があると、PBSの研究により示されています。
しかしながら、福祉現場、特に放課後等デイサービスにおけるPBSの研究と実践は依然として限られています。ことに、これらの現場では職員の離職率の高さと、心の健康状態における問題が大きな課題となっています。
そこで、福祉現場においてPBSの導入が、教育現場におけるPBS導入と同様、職員のウェルビーイング、すなわち「身体的、精神的、社会的」に満たされた状態の継続、さらには福祉現場における組織風土の向上へつながることが期待されています。
上記を目的とし、当社が運営している放課後等デイサービスにおけるPBS導入前に、スタッフの心の健康状態のその時点の基準について調査しました。
調査の結果によると、職員のストレス要因は子供との直接的なかかわりではなく、主として事務作業や固定・硬直化した組織内の固有文化に起因していることがわかりました。
PBSは、以下のような複数の組織的経路を通じて、職員の心の健康状態 を間接的に向上させる可能性があります。
・組織的支援とチームワークの強化:価値観の共有と一貫した戦略により、職員の孤立感や役割の曖昧さを軽減します。
・業務効率の向上:作業の手順を標準化することにより、書類の重複や管理業務の負担を軽減します。
・自己効力感の向上:成功事例を共有し、目標を明確化することにより、達成感を高め、職員の身体的・精神的疲弊を予防します。
これらの調査結果から、PBSは子どもを支援するだけでなく、職員の幸福感とポジティブな組織風土を育むことにも役立つと考えられます。

●発表の成果
教育現場におけるPBS導入の取り組み、成果については数多くありますが、福祉サービスの現場においてのPBS導入に関する成果についての情報は、まだほとんどありませんでした。そのため、多くのPBS国際学会関係者に興味を持っていただくことができました。
「職員の心の健康状態がどう変わったのか」、また「導入にかかるコスト面がどう変化したのか」といった点について、PBSに関して最前線で研究している第一人者の方々に多くの反響をいただくことができました。
●今後の展望
当社において、PBSを導入し、会社の仕組みとして定着できれば、どんな支援が良い支援であるのかを、数値として定量化できると考えます。いわゆる定性データ(感情や感想といった数値的に表せない抽象的なデータ)による経験則ではなく、その支援をすることで、利用者にとってどのような良い変化が期待できるのか、また支援の結果、利用者のQOLがどれだけ向上したのか、どれだけ改善されたのか、そういった支援の質を、裏付けのある数値として示すことができるようになるという狙いがあります。
さらに、弊社がPBSを導入して得られた経験、データは弊社にとってだけではなく、ほかの人の管理が必要な組織においても、弊社で培われたPBS導入・運用によるデータが共有できると考えます。まだ日本では一部の都道府県においてでしかPBSは導入されていませんが、これからもっと、PBSの取り組みが大きな可能性をもって広がっていくと期待しています。
●PBSに関するサイト
APBS-J 日本ポジティブ行動支援ネットワーク ポジティブ行動支援(PBS)とは?
APBS-J 第5回アジアパシフィックPBS国際大会 in 韓国・ソウル


